日記
- 風邪を引いている。咳が出はじめたのが先週の金曜日からなので、もう10日目だ。
- 最悪のときは過ぎ去ったとは思うけど、なんだか耳が遠かったり、鼻が詰まっていたり、咳が出たり(症状としてはこれが大きい)、身体が熱っぽかったり、頭がぼうっとしていたりと、いつも通りのコンディションではない。
- しかし、スタンダードな、ベーシックな体調やコンディションってどんな感じなんだろう。「あ〜、今日は体調がいいな〜!」と思えたことが、いつからか、まったくない。あなたはありますか?
- 中学三年生の頃、「夏風邪は、治りにくい」というフレーズが微妙に流行ったのを突然思い出した。
- 流行らせたのは、ナカシ(中島)か真音(「まのん」と読む。下の名前ね)だったと思う。特に大した意味はなく、「夏風邪は(必ずここで一回切る。リズムやテンポが大事)、治りにくい」と、脈絡なく言うのだ。
- 私たちはよく休み時間中、男子トイレの入り口の洗面台があるところに溜まっていた。5分とか10分とかの限られた休み時間に、そこでどうでもいい話しをしている最中、突然口を挟んで「でも夏風邪は、治りにくい」なんて誰かが言い出すのだ。
- 大体、言い出すのはナカシか真音で、後半の「治りにくい」は2、3人がユニゾンで言う。
- それにはまったく意味がなかった。誰かが風邪を引いているわけでもなければ、季節も夏ですらなかった気がする(大体、夏の盛りの時期は、学校は休みである)。
- そして、その意味のなさや意味のわからなさに、私たちはひとしきり腹を抱えて笑ったのだった。
- 意味のない言葉を誰かに投げかけたり、それを受け取ったり、あるいは投げ返したりするのはとても重要なことだと思う。限定的な関係性やその場限りでしか有効でない、なんの意味もないコミュニケーションにこそ、ある意味では意味があるのだ。
- そういう意味のないコミュニケーションを、私たちは、いや、私は、いつからしなくなってしまったのか。
- 何の意味もない言葉や変な動きでおどけたり、笑ったりしたいな。